スーパーカブ110 チェーン調整

チェーンの張り具合を調整する

エンジンからの回転をリヤタイヤに伝えるドライブチェーン。
使用状況によって消耗具合は異なるが、
新車を購入しても必ず伸びるし、
以降も加速やエンジンブレーキで力が加わり伸びてゆく。
定期的な点検調整が必要な重要部品だ。

スーパーカブ110の場合、
チェーンの遊び量は、15~25mmとなっている。
この遊びの量は重要で、
少ないと駆動系にダメージを与えるし、
多くてもパワーロスとなるし、
多すぎるとチェーンが外れて大変危険だ。

点検方法

簡単な点検方法は、
チェーンロアカバーにゴムキャップが付いている。


これを取り外すと、チェーンが見える。
この部分のチェーンの上下幅を見るのだ。

もし25mm以上なら調整しよう。

調整方法
メインスイッチをOFFにしギヤをNにする。
センタースタンドを立てる。

まずはリヤタイヤが前後するように緩めるのだが、

車体左側リヤタイヤ中央部にアクスルナットがある。
これを19mmレンチで緩めるのだ。
（筆者はタイヤ交換時楽なので左右逆にしている）
62N･mで締め付けられているので、
車体後ろ側にレンチグリップを向けてはめ、体重を掛けると楽だ。


車体右側リヤタイヤ中央部にアクスルボルトがある。
これを14mmレンチで抑える。
共回りしてしまうのだ。
（筆者は左右逆にしている）


まず10mmロックナットを緩めて後方へ。
外す必要はない。
その後、12mmのアジャスタナットを時計回りに締めてゆく。



その際に大事なのが、
車体右側も同時進行してゆくということ。
左を少し回したら右もという感じだ。


するとチェーンアジャスタが後方へずれてゆく。
ここでは微量な調整が必要だ。
左右1mmずれるだけでも10mmくらいはチェーンに動きがある。
常にチェーンの上下幅を見ながら調整しよう。

このスイングアームのメモリは6ラインあるのだが、
チェーンの状態を考えると、そのチェーン寿命中
実際は前方から2～4メモリまでだろう。
（ドライブ・ドリブンスプロケットを交換しギヤ比を変更すると、この限りではない）

15～25mmになったら調整完了だ。
通常は15mmを目標が良いと思う。次回の調整まで期間が長くなる。
筆者の経験では30mm以上に伸びていると
「　カラカラカラ・・・　」
と、チェーンがロアカバーに接触する異常音が鳴りだす。
これが注意信号だ。なるべく早めに調整しよう。
※メーカーの注意事項では50mm以上だと乗車禁止とのこと。
チェーンが外れるのだろう。


あとは元通りに戻してゆく。
注意点は、
アクスルナットを６２Ｎ･ｍで締めこむこと。
カブ110の中のナットでもかなり強力に締めこむ必要がある場所だというのが分かる。
走行中に緩いと事故につながる危険があるのだ。


参考までに

チェーン洗浄注油作業をするときにカバーを開けて行うと思うが
実はロアカバー穴が無くてもチェーン目安位置はわかる。
タンデムステップの下側延長上に穴があるのだ。


ドライブチェーン調整、
慎重に作業する必要があるが、
タイヤの空気圧調整の次くらいに必要になる調整だ。
慣れてしまおう。

必要工具
●10mmレンチ
●12mmレンチ
●14mmメガネレンチ
●19mmメガネレンチ（トルクレンチ推奨）